オムライス……。
夏目と過ごした日々が、ありありと思い起こされて切ない。
オムライスは夏目の好物だと知っていた。
だからたまに、お弁当はオムライスで。
夏目が喜んで食べてくれるのが、何よりも嬉しかった。
――先生、間に合わなかったね。
手紙の上に涙が落ちた。
――信じて待ってるって約束したのに、ごめん。
「ほら、詩織行くぞ。」
ドアの前で父が呼んでいる。
私は観念して、ドアを開けた。
東京に行けば、父も安心するだろう。
その方が逃げることは可能になるから。
その時だった。
インターホンが鳴る。
「ちょっと、冬樹君出てくれ。」
「はい。」
冬樹が玄関へと向かう足音が、階下に響いた。
夏目と過ごした日々が、ありありと思い起こされて切ない。
オムライスは夏目の好物だと知っていた。
だからたまに、お弁当はオムライスで。
夏目が喜んで食べてくれるのが、何よりも嬉しかった。
――先生、間に合わなかったね。
手紙の上に涙が落ちた。
――信じて待ってるって約束したのに、ごめん。
「ほら、詩織行くぞ。」
ドアの前で父が呼んでいる。
私は観念して、ドアを開けた。
東京に行けば、父も安心するだろう。
その方が逃げることは可能になるから。
その時だった。
インターホンが鳴る。
「ちょっと、冬樹君出てくれ。」
「はい。」
冬樹が玄関へと向かう足音が、階下に響いた。