「2人で話したいこともあるだろう」 と言う、パパの言葉で私は、あの大きなホテルに1人取り残された。 そして、伸也さんに手を引かれ見知らぬ車に乗り込む。 もう、白のセダンではないその車に少しだけ緊張しながら、私は懸命に混乱している頭の中を整理しようとした。 けれど、そんなに早く色んな事を理解する力は私にはなかったみたいで、車が発進した今でも、ぼーっと窓の外を眺めていた。