「お嬢様、お茶にしましょう」 午前の職務を終え約束の時間に迎えに行くと、何やら慌てるような音が聞こえた。 「お嬢様・・・」 「さ、先に行っててっ!」 どたばたという音に次いでなにかが落ちたような音も聞こえる。心配になりドアノブに手を掛けると中にいる檸檬からお叱りを受けた。 「ひとりで大丈夫だから! 扉を開けたら許さないからね!!」 こういうところはまだ子どもなのだな、と何処か安心すると言われた通り先に庭へ向かった。