やはり柵はかなり高い。何故こんなに高いんだろうか。

柵の隙間から中を覗いてみると、木が幾重にも重なり、闇だけが続いていた。



−こんな所に人などいるのだろうか?

そんな事を考えながら、僕は中を見ていた。












「何を見ているの?」


突然声を掛けられた。僕は驚いて、思わずびくっとした。気配が全くしなかったからだ。

振り向いて、声の主を見た。
極端に肌が白い少年がいた。が薄い灰色の髪に、黒い服。それらは一段と彼の肌を白くみせている。

よく見ると、不思議な目をしている。深い緑色の目。まるでそれはビー玉の様だった。