車は、大きな建物の前で停まった。

それは病院みたいな形をしていた。

くすんだ白い壁は所々亀裂が走り、窓枠も色が褪せて所々塗装が剥げていたいた。

周りには雑草や木々が茂り、昼でも気味が悪い。

車から半ば強引に降ろされ、その男に手を引かれ、建物へと連れていかれた。


中には沢山の部屋があった。
扉は鉄で出来た扉で、全て閉まっていたため、中は見えなかった。

まるで牢屋みたいだった。

一番端の部屋の前で、止まった。男は鍵を開けると、中に入った。
私も後について中へと入った。



机、椅子、クローゼットに、冷蔵庫…それに、両壁にベットが一つずつ。
本棚やその他生活に必要な物が全てそこにはあったが、なぜかテレビだけはなかった。