「ここはあなたのような人には知らなくていい世界です。
知ってもあなたの為にならないわ。」

哀しげな目をしてそう言った。
やはり何かここにはある。意味が分からないまま帰りたくはなかった。


「別にそれでも構いません。」


彼女は明らかに困惑している。
しかし、自分の中にある“疑問の答え”だけでも知りたかった。

「ここにあなたの知っている“普通の人”は居ないんです。それでも、知る勇気はありますか?」