黒イ世界

帰り道、白や朱に貸すための本やマンガを考えながら歩いていた。
歩きながらぼんやりと空を眺めた。そこには見たこともないくらい満月が大きく輝いていた。

とても美しかった。しかし、それはこの世界の唯一の逃げ道にも見えた。

彼らと共に誰もが疎外されない世界へと僕は今にでも逃げたかった。

満月に蓋をされてしまったこの世界から。