僕は、週末の度に彼等の元を訪ねた。


今まで外出することはあまりなかった。外に出られない彼らにとってそれは、贅沢であり羨ましくもあったのだろう。

毎週行っているというのに、お互いが違いすぎる世界に生きていた為に、話は尽きることがなかった。

楽しかった話や、時には辛かった話など尽きることなく色々な話をした。

次第にここへ来ることが楽しみになり、週末を待ちきれなく思うようにさえなった。

そんな僕を見て母は、彼女でも出来たのかと冷やかしてきた。

僕は良い友達が出来たとだけ答えた。

あまり人付き合いを好んでしなかった僕に友達が出来たとあって、母は少し嬉しそうだった。