彼女はカップを手にとり、中に浮かんだ茶葉をぼんやりと眺めてめている。


「…あなたの言う“単なる興味”が、最初は施設の手下が追って来たのかと思いとても怖かったわ。
けれど、今は違う。だから謝らないで。

ここはとても閉鎖的な空間でしょ。いつまでこうしていれば良いのか、全てが未知で先が見えないの。

そんな状況だからみんな錆び付いたようになってしまった。
昔は毎日、何をしようかとか、どこへ行こうとか話したりもしていた。
けれど、いつ見つかるのかという不安から今では笑うことも少なくなった…、

悲しくて、辛くて私どうしていいか分からなくなってたの。そんな時にあなたが訪ねてきた。

久しぶりに外の人とのお話は楽しかったわ。
ありがとう。」