それなのに飲む手を休める事なくグビグビ、ガブガブ胃に酒を流し込む平助



「私、知りませんからね?」


そう一言だけ伝えると出来るだけ酔っ払いたちから離れて宴会の様子を見つめる私



ぼー、と皆さんを見つめてみれば人斬りなどには見えないのにな



どんちゃん騒ぎして、ただ仲の良い何かの集団にしか見えない...のけど、それが人斬りの集団という格付けになってしまう



そして、私もその一人で、一番力がない者。



私は、この人たちがただの人斬りには思えない



でも、多分そう思うのも私がきっとここの一員だから...かもしれない




目を細めながらそんな事を考えているとピトッ、と頬に感じる冷たい物



「斎藤様..っ」


「飲め、これはお前の歓迎会だ。」



頬に当たったのは冷たい恐らくお酒の入った酌


多分これは斎藤様なりの労い
なら飲まないわけにはいかない事になる


一杯くらいなら、大丈夫よねぇ?


「ありがとうございます。」


そう言うと差し出された酌をとり恐る恐る口に運ぶ



「......美味しい。」


今年で18になる私はお酒を何回か付き合いで飲んだことがあるが、こんなに美味しいお酒は初めてかもしれない



そんな私を見て斎藤様は微笑すると
「そうか。」
と言ってもう一杯私にお酒をついでくれる