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池田屋事件から早、二週間が経ったある昼の事。



「...歓迎会、ですか?」



「そう!
そーいえば、慶の歓迎会やってねぇなぁって話になってさ!」



元気の良いことで、藤堂様とつい最近までは呼んでいたのが今になっては平助と、呼ぶようになった彼はそう言いながらニコニコと洗濯物を洗っている私に話しかける



「ありがたいですけど、私はただの女中に過ぎませんから...」



それを言い訳に”ある事”から逃れようとしたのだが、その”ある事”には簡単に捕まってしまう


「いーの、いーの。
女中とか関係ないって!
慶はもう俺らの仲間だろう?」



「は、はぁ。」



曖昧な返事をすれば”よし、決定!”と言って何処かへ駆けて行ってしまう



「....どうしよう。」



平助の走り去った後を見ながらそう呟くと肩にのしかかる何か。



「何が”どうしよう”のかな慶?」