確かにそうだ。

このままでは埒が明かない上に、総司は稽古へと言ってしまう



ならば..


「うっ、グスッ..ふぇ...」


嘘泣きをすればいい



でも流石にこれは嘘泣きってバレるかしら?


「け、慶?!!
泣かないでくれっ!!!」



撤回、総司にはかなり的面らしい



「いきっ、ませんか稽古っ...??」


「いかない!
いかないから泣かないでっ!!!」



バフッ、と勢い良く布団の中に潜り込み”ね?”と言って私を見る



あらら、もしかしてやり過ぎたかしら?


でも、これで総司は稽古に行かないから...よかったのよね?

そう思うと一気に泣き真似が笑いに変わってしまう

「....ふふふっ」


「え?」


「今のは嘘泣きですけど、今度出ようとしたら本当に泣いちゃいますからね?」



そう言うとみるみるうちにポカーンとした顔から拗ねた顔になる


「誰にそんな事習ったのさ?」


ボソリ、と言われた言葉でもこの部屋には充分聞こえるくらいの大きさだ


「兄さんですよ?
兄さんが男に言うことを聞かせる時は泣き真似をすればいいって教えてくれたので。」