「すまんな、武久君。
いつもこんなんなんだ。」




申し訳なさそうに謝る井上様
だけど、私にとって騒がしい事は苦ではない。

むしろ、今まで静かだったから...



「楽しいです。」




こんな風にまた賑やかに食事が出来ることが、この上ないくらいに幸せで楽しいのだ。




だけど...ある場所だけ誰も座っていない所がある



「あの、井上様、総司は?」



朝餉を食べてから、彼を見かけていない

実はなにかあったのだろうか、と少し気にかけていた



「ああ、総司なら昼の巡察なんじゃないかな?
きっと、そろそろ帰ってくるとおもうんだけどな...」




「そう、ですか...。」



少し、残念な気持ちを抱きながら箸を進めてゆくと、バンッと荒々しく開く障子




「近藤さん!!
捕まえましたよ。」




噂というのは凄いもので、障子を荒々しく開けたのは少し昂ぶる声で浅葱色の羽織を所々に血をつけた総司だった




「...っあ、」