全て運び終わると、例の二人が私の方に駆け寄ってくる



「....?
どうかなされましたか?」



「いや、名前言ってないと思ってさ。
俺、藤堂平助!」



「んで、俺が永倉新八様だ!」


まさか、わざわざそんな事を言いに来るなんて思っていなくて、思わず笑い声が漏れる


「あ、笑った!
てか、しんぱっあん、普通自分に”様”とかつける?」



「いーだろ、それで武久が笑ったがもしんねえんだから!」



二人がそんな風にギャーギャー、言い合っている会話がまたなんだか面白くって、今度は盛大に笑ってしまったのだ




.....



「ん?なんだお前らもう武久の事知ってんのか?」



昼餉の最中の事である



最早、私が紹介する幹部のほぼ全員とあってしまっていた為、残す二人の幹部のみの紹介になってしまった



一人は、新選組のもう一人の副長、山南敬助


物腰の柔らかな人で、読み物を多く所有していて、暇があれば借りに来てくださいとの、お誘いを受けた



もう一人は新選組10番組組長、原田左之助


この人はどうも一癖あるみたいで

「夜這いは大歓迎だから。」


と白昼堂々、凄いことをさらりとしかも皆さんのいる中でのお誘いを受け、苦笑いするしかなく


「ば、ばばばば馬鹿じゃねぇの左之さん!
夜這いとか、武久がするわけねえだろ!」


「そーだそーだ!
夜這いで左之助のとこなんて武久が行くわけねぇだろ!
来るんなら俺んとこだし!」


「いや!しんぱっあん、それもダメだから!」


なんて話を藤堂様と永倉様と原田様で繰り広げていて、昼餉でシーンっとした雰囲気になることは一度たりともなかった