ぽんっ、と肩に手を添え斎藤様の後ろ姿を見つめながらそう付け加える沖田様



「お強いのですね...」




なら、あの体がすくむような恐怖も納得がゆく




でも、じゃあ...



「総司もお強いんですよね?」




この人と出会った時は恐怖なんて感じなかった。


けど、新選組の一番組組長ならば、相当お強いん...だろうか?




「僕かい?

そりゃあ...強いんじゃない?

まあ、僕は斎藤君みたいな強さではないけどね」




総司の口から意味深な返事が帰ってくる




強さ、にも部類があるの?



「では、総司の強さとはなんなのですか?」



疑問をそのままぶつけてみると、ニコッ、と笑って彼は答えようとはしなかった




「朝餉、食べに行こっか。」





代わりに彼はそう言うとそれ以上は喋らなかった




斎藤様は蒼い奥に秘める強さ





もし、総司がその真逆だったら...



怒りを露わに感情を露わにする狂気の炎なんて、まさかね。





温和な総司に限ってそんな事はあり得ない




そうこの時、私は鷹をくくっていた




あの血に狂い、人の命を次々に奪っていく彼を見るまで。