「えぇ?

可愛いから嫌。」



またこの人はそんな事をサラリと。


なんだか遊ばれて見るみたいで悔しい




「怒りますよっ!」



わざと拳でグーを作って、怒りを表して見せると今度は盛大に笑われる



「ククッ、
それじゃあ怒ってる風には見えないよ?」



そう言われて手を掴まれてしまえば抵抗は出来なくなる


なんでだろうか。


この人と一緒にいると調子が狂う


いつもならこのぐらい冷静にあしらえてたはずなのに。


反射的に総司からそらした顔と心には困惑が確かに浮かぶ


「どうしたの?
もう抵抗しないの?」



そんな私の心をよ見とるかのように意地悪にそう聞く総司


きっと彼はこの状態をさぞかし楽しんでいるのだろう


さっきから頭上からの笑い声が絶えない







「総司、そこまでにしてやれ。」



何も抵抗が出来ずにいた私に出た助け舟。



だが、この声には聞き覚えがない




恐る恐る下げていた頭をあげれば見知らぬ男の人が冷静に、冷たい目でこちらを見ている