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ズズーッ、とやはり重たい音を立てて開く障子




昨日は気がつけば寝ていて、気がつけばもう朝。




私一体、何刻寝ていたのだろう


手ぐしで切り揃えられた前髪や、腰まである髪を解きほぐしているとズズーッと同じく誇りが詰まった音を立てて隣の部屋の障子が開く



「おはよ、慶さん。」



「おはようございます、...そう、じ」



カアァ、と火照る顔


男の人の名を下の名で呼ぶことは何度もあった。



けど、呼び捨てなどで呼んだのはこれが初めてで、なんだか恥ずかしい



「ふっ、なんだかまだ慣れないかな?

まあ、今はそれで良しとするよ

じゃあ、朝餉にでも行こうか”慶”」



「は、はい!」




ああ、この人は何故こんなにもサラリとしかも格好の良く言えるのだろうか



限界まで火照ったはずの頬がさらに紅みをましてしまう



「真っ赤だね」



それに気づいた総司はククッ、とくぐもった笑いを見せると、私の頬をツンツンとつつく。


「お、...総司、やめてください!」