やっと出た声は嗚咽を交えたなんとも頼りない声
「すいま、っせん...。
兄をっ、知ってるいる人がっ...いて、嬉しくてっ、」
その慶の言葉を聞くと、門番は安心すると同時に、【ああ、やはり兄妹だ】そうおもったのである
『少し、待っててくれ。
今、局長にでも伝えるからさ。』
一人の門番はそう告げるなり、門の中へ大急ぎでかけてゆく
「あの...さ、」
「はい?」
残った門番は少し戸惑いながらこちらに話しかける
長身で手足が凄く長く、キリッとした目が印象的だ
「妹さんは、清史郎の最期知ってるの..か??」
躊躇しがちに口を開く門番
知ってるも何も、最初の文に書いてあった
「敵に殺られた、と聞きました。」
強い兄が何故...
誰よりも仲間を想い、敵を想った兄さんが...そうやって死んでいったのは信じがたいが、そう書かれていたのだ
そう、なのだろう。
「....そう、か。」

