「っあぁっ!!!」


後ろで元気な声がいきなり小さな悲鳴になって聞こえる



「清史郎っ?!」



慌てて彼を見れば着物の下から滴らせた紅い血が見えた



それも、剣士としては致命傷とも言える利き手の方からだ



「総司っ!!!
応援が来てるっ!!!」


彼の言う通り、振り出しに戻ったように人が増えて、俺たちを取り囲んでいた


「へぇ...卑怯な奴ら。」


この時、口では余裕を感じられるような事を言いながらも清史郎の利き腕の負傷や、自分の体力を考えて、かなり危機的な状況だと把握していた



それでも、清史郎は負傷した腕で刀をふるい、僕は肩で息をしながらも多くの人の命を経っていく




そして、遂に地に積もる雪は真っ赤に染まり、降る雪でさえも紅く悲しくそまった




カランっ...そんな虚しい音を立てて落ちた清史郎の刀の鞘



なあ、嘘だろう


なんで、なんで...お前が..、刺されてるんだよ、清史郎。



清史郎の腹あたりに刺さった敵の刀



だが、同時に最後の敵の腹にも清史郎の刀が刺さっていた



ほぼ、同時だったというのが良く分かる光景