僕の言葉で勢い良く飛びたし後ろの敵を対峙し始めた清史郎



最初、江戸から京に来た時は、清史郎の腕は中の上とそこそこだったが、いまではそんなもんじゃない


怒涛の攻撃



あれをよけるのは僕でも至難の技


きっと、僕の教えが良かったからかな。



クスッと笑みを零すと刀を構え、目の前の敵を鼻で笑う



「僕らを敵に回すなんて馬鹿だね


生きて帰れるなんて、そんな事を思うなよ?」



そう笑ってる顔とは違い、冷たい言葉を言い放つとほぼ同時に一人目の命を経ってみせた



ザクっ、クジャァッ、と時には嫌な音を立てながらも二人対数名だったのが最早ほぼ同じ数に。



こんな状態でも形勢逆転出来るのが僕らの力ってことかな



「さあ、人数も減ったし...そろそろ殺すから捕縛にしますかぁ〜」



刀から滴る紅い血はポタポタと下に落ちて、真っ白な雪を紅い雪に変える


「了解!」



後ろで戦っている清史郎からはそんな活気のある声が聞こえる


結構な時間たったのにまだまだ元気があるみたいだ



なら、大丈夫。

そんな油断、ほんと軽い油断


なんで、この時誰かが応援を呼んだかもしれないなんて単純な事を考えられなかったんだろう