「でも、いつか..」


「ん?
なんか言った?」


「いや、なんでも。」



僕のポツリと呟いた言葉は清史郎には届かない
いや、今思えば届いてなくてよかったなと思う




しばらく、そんな雑談しながら市中を歩くがそれらしい人なんて一人も出てこない



やっぱ、人斬りなんて、いないんじゃないかなぁ..


そんな事を思った時だ


カサッ、と後ろで動いた黒い影



いや、後ろだけじゃない、前も横も周り全体黒い影ばかり



成る程、囲まれたらしい。

人斬り、なんて一人かとたかをくくっていたけど、これは一人とは言い難い


「清史郎、いける?」


刀に手をかけている清史郎は僕の言葉を聞くと、ニヤリと不敵に笑い


「誰に聞いてんの?」


そういった




「じゃ、殺るよ━━━━。」