白が赤く、染まった夜━━━━。
「は?
人斬りが出た?」
突然の冬の到来で、火鉢に清史郎とあたりながらぬくぬくと過ごしていたのに、突如土方さんが僕たちがいる場所の障子を開けてそう告げた
「そうだ、だからてめぇら二人で今日の夜見回り行ってこい」
なんて、横暴な奴だろう
僕たちはその日は非番でせっかく自由な解放的な時を過ごしていたのに、これじゃあ暇を暇として過ごすことも出来やしない
「なんで、僕らなんですかー?
ほら、暇な人もっといるでしょ、永倉さんとか原田さんとか、平助とか。」
本当に暇そうな人たちの名前をあげてそっちに任せようとしたのだけど、あっさり却下。
「ともかくてめーらで、いけ!!!!」
随分苛々している
きっとまた、何か感に触ることを誰かに言われたのだろう
やれやれ、と思いながらも清史郎と顔を合わせ、出かける準備を始める
「はぁ...僕寒いの苦手なのになぁ。」
「俺もだよ
なんで俺らなんだろうな...」
ブツブツと小言を言いながらもなんとか着替え、刀を腰に差し、夜の京の中を男二人で見回り
色気もなんもあったもんじゃない
「こんな時、可愛い子とか居たらなぁ。」
きっと、頑張れるのに。
冬って何故か人肌が恋しくなるし、そういう気持ちに僕をさせる
「だったら、作ればいいじゃんか
総司一応もてるわけだし」
”ははっ”と笑い、ザクザクと雪を踏む音を立て屯所の門を潜る
いや、確かに。
清史郎のいうとおりなんだけどね
けど、ほらやっぱり気になる子とかちゃんといるから、出来ればその子と...
それが誰かなんて清史郎には言えないが、いつか言えたらいいなんて思っていたりもした

