清史郎が言うには次に年が明ける時には彼女を京に迎えたいらしい

なら、慶に会う未来もそう遠くはない



そう思って、日々その日を楽しみに稽古や見回りとかをしていた



今思えばこの時からもう、僕は彼女に惹かれていたんだと思う


よく分からないが、なんとなくこんなちっぽけなものを運命なのかもしれない、心の中でそう思ってた



だけど、運命なんかじゃなかった



本当にただの勘違い



だって、あの事件が起きた



その時、思ったんだ

清史郎の、慶との出会いは運命じゃなかった

ただの恐ろしい...


神がいるとしたら、そいつの悪ふざけ。



『総司いぃぃぃ!!!!
俺を、俺ごと殺せェェェっ!!!!!!』



その日はまだ秋の終わりだというのに京は雪が降っていた

うん、朝からなんか胸騒ぎがした。



だから外に出るのを出来るだけ避けていたのに、なのに....



ギュッと目をつむれば蘇ってくるあの時の景色




血が飛び散る路地


舞い落ちてくる血が赤く染まっているようにもみえた