「え..」


心を読みとたられた気がして大きく目を見開いてしまう


だけど、そんな私とは対照的にニッコリ、笑顔を向ける伊東様



山南様を切腹までおいやったのは伊東様だと思った


だって何もかもがこの人が来てからおかしくなっている気がしたし、それに山南様が脱走する前の日、伊東様と話をしているところをみてしまったから...


尚更だったが、日が経つに連れ、私の気持ちが落ち着いてきて、そんな事はただの私の予測で実際はそんな事はなかったのではないか、と思う


そう考えたら私の数日の山南様に対する態度は酷いものだったはず、なのに、なんでこんな風に私に笑顔を向けてくれるのだろうと、疑問が浮かぶ



「さて、人払いはしているし、じっくり話しましょう」



「...っ、あ、はい。」



でも、いくら申し訳ないと思っていてもこの伊東様の目は怖い


総司の言う通りでまるで獲物を狙う蛇みたいなのだ



「まあ、単刀直入に言わせてもらうわ

あなた、私たちについてくる気はない?」


そんな目で、真剣に見つめられてしまえば体が動かなくなる



「あの..

どういう意味で...」


戸惑う私。
まるで水の中にいるみたいに息が上手く出来なくなる


「私たち、新選組を離脱するの。」


ニコと笑って平気でそんなことを口にする


それも”たち”ということは沢山の人が新選組を離れてしまうことになる