ある日の昼下がり、いくら一日で一番気温が高いといっても冬が近くて、水に触るのはなんだか気が引けてしまうが、それでも近頃私は上機嫌で、そんな辛いはずの仕事でも楽しくこなしていた



「精が出るね慶。」


そんな私を巡察が終わった総司はじぃー、と見ながら、時には笑みをこぼしてこちらを庭先から見ている


「だって...」



ポ、と顔を少し赤くすれば彼は一層優しい瞳を私に向けてくれる

それさえ嬉しくて仕方がないのだが、わざわざそんな風景を柱に隠れて見てくる人物二人





「..............なぁ。」



「ん....?」



「あの二人...出来てんの?」


その一人永倉様は恨めしそうな顔でこちらをじぃー、と睨んでいる


「さぁ、だけどいい雰囲気だしてるよなぁ。
今日の朝餉でも目で会話してさ〜。」


興味のなさそうに、だが実はこちらをチラチラと何度も見てくる原田様



「く、くそぉ〜!
屯所内でただ一人の女の子の慶ちゃんが腹黒総司の物に!!!」


「本当だよなぁ....。」


一応、彼らにとってはヒソヒソ話しているつもりなのだろうが、こっちから見たら丸わかりの丸聞こえ。



総司なんて、”腹黒”と言われた途端、眉間にしわを寄せた