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「け〜いっ!」


明るい声が後方から聞こえたと思ったらギュー、と強いくらいに抱きしめられる



「総司っ!?」



カァァァ、と火照る顔、好きとわかったらそれも余計である



「んー?
あれぇ、慶ちゃん顔が赤いよ〜?」


ふわぁ、と香るお酒の匂い
たしか、さっき総司は夕食の後、お酒を飲んでいた


「酔ってるでしょう、総司っ!」



彼の腕を振りほどくとお盆でコテン、と彼よ頭を叩く


「ほろ酔いかな?

大丈夫、ちゃんと意識はあるから慶と違って。」



「うっ..」



「だから、怒らないでよ慶」



「怒ってない!
だから、昔の事をぶり返すのは

ヤメテクダサイ...」



あの時の事をまだ言い続ける総司に、そう告げるとクククッ、とくぐもった笑みを浮かべてまたギュム、と抱きつかれてしまう



「慶、可愛い。」



「そ、総司...抱きつくのも恋仲じゃあないんだからやめめください、」



ドキドキと鳴る胸の音は彼に聞こえてしまうんじゃないかというくらい煩い

だから、恋仲でもないのにこんな事をされたら、本当に何もかもが耐えられない