「いいよね?」
今までにも似たようなことはしたことあるけど、最後までっていうのは一回もない。
初めてが結婚した後っていうのも珍しいかも……。
「まだ、心の準備が……」
展開が速すぎて、ついていけてない。
「…怖いのは分かる。けど、俺もそろそろ限界だわ」
「え……」
「お前のこと好きすぎて、もう我慢できねぇんだよ!」
見上げた伸治の顔は、苦しそうで、かわいそうだと思った。
そうだよね。ここまで我慢してくれたんだもんね。
「…分かった。いいよ?」
私は伸治の目を見つめて言った。
「ありがとう。やさしくするから…」

