その日は、泊まらせてもらい、翌日、すぐに帰ってきた。
帰るときに『もう少し居ればいいのに』と止められたけど、『泊めていただけただけで!』と断った。
「ふぅ。挨拶もちゃんと出来たし、肩の荷が下りたよ~」
「あぁ。無事に終わって、よかったな」
伸治は私の頭の上に手を置いて、やさしくなでてくれた。
あっ、なんか気持ちいい感じ……。
うっとりとしながら伸治を見ると、私の顔を見た伸治は、顔を赤くした。
あれ?どうしたんだろう?
「伸治、大丈夫?顔赤いよ?熱?」
私は心配になってそう聞いた。
すると、その言葉を聞いた彼は、ゆっくりと手を下ろし、
「はぁ…まったく、お前は」
とあきれた目で私を見た。

