「伸治がしたいようにして。あたしは伸治が決めてくれればそれでいいから」
「わかった」
伸治はあっさりと返事をすると、そのまま黙ってしまった。
あれ？会話終わり？
なんか他にもっとないの？
なんだかあっさりしすぎてて、腑に落ちない。
不満を感じて伸治の顔をじっと見ていると。
「…なんだよ」
私の視線に気づいた伸治にそう聞かれ、私は慌てて目をそらし、前を向いた。
「べ、べつに！？」
自然と早歩きになってしまい、伸治が慌てて追いかけてきた。
「おい、どうしたんだよ急に」
「なんでもない！！」
自分だけ意識してしまっているのが恥ずかしくて、少し怒鳴りながらそう言った。
結局、その後も伸治は特に何も言わなかった。
