「なんで決め付けるんですか!?私は、翔也先輩のいろんな顔を、もっと見たいと思いました!」
「……」
「いつも笑顔の翔也先輩の、弱いところを見れて、私はうれしいです」
「えっ、なんで……」
「だって、人間って感じがするから!」
その時、私と翔也先輩の間に一陣の風が吹いた。
広がった髪を手で押さえながら、私はもう一度前を見た。
「私は、翔也先輩の力になりたい。先輩が、弱さを見せられる場所に、私はなりたいです」
私の意志が伝わったのか、翔也先輩は瞳を揺らし、微笑んだ。
「ありがとう、うれしいよ」
その笑顔は、心から笑っているように見えた。
「今日が、命日なんだ。母さんの」
私はそれを聞いて納得した。

