お母さんのお墓参りをして、お母さんにだけ、素の表情を見せる翔也先輩。
誰にも見せなかった哀しい笑顔を、ここでは見せている。
翔也先輩に、こんな一面があることを、私は初めて知った。
「…なつみちゃん?どうかした?」
そのまま黙ってしまった私を、翔也先輩は心配してくれた。
「翔也先輩は、誰と一緒でも、笑顔でいてすごいなと思っていました」
「…うん」
「でも、私は笑顔の翔也先輩しか見たことなかったです。――ここに来るまでは」
「……」
「翔也先輩は、辛い想い、苦しい想い、哀しい想いを打ち明けられるのはここしかないんですか!?」
「…えっ?」
「ここに来ないと、その表情は出来ないんですか!?みんなには見せられないんですか!?」
「…そんなの、迷惑なだけじゃん。だから……」

