それなのに人の頭を叩くなんて……!!
「……お前はどうしてほしいの?」
伸治の行動に腹を立たせていると、ふいに、伸治がそう聞いてきた。
「え……」
いきなり、少しさびしげな口調で聞かれたので、腹を立てていたことも忘れるぐらいびっくりして、言葉が詰まった。
「あ、あたしは……」
出来ることなら、一緒にいたい。
でも、おばあちゃんが居たら、お互い気を使って大変だろうし……。
だけど、伸治がここを出ていくとしても、他に行くところがない。
伸治の親は海外だから、もしかしたら伸治も海外に行ってしまうんじゃないか。
最近はそんな風に考えを巡らせて、結局結論は出ていない。
だから、思ったことを全部言ってみることにした。
「あたしは伸治と一緒に居たい。でも、おばあちゃんが居ると二人ともお互いに気を使って大変だろうし。だから……」
私はそこで少し間を置いてから、伸治のほうを見た。

