「あ…あの。よろしくお願いします。」
転校生ちゃんはそう言って席についた。
「うん。よろしくー」
だからわたしは、にっこり笑ってそう返した。
第一印象は大事だからね。
「え…と。名前教えてもらってもいいですか?」
「あー。名前ねー。榊 舞香(サカキマイカ)。呼び捨てでいーよー」
「ま…まいかちゃん?」
「ちゃん付け?まーいっか。ねー。なんて呼べばいい?」
首を傾げてそういえば少しだけビクっと肩を震わした転校生ちゃん。
さっき猫みたいって言ったけど、前言撤回。生まれたての子鹿みたいだ。
でも、肩を震わした数秒後、今度はまるで花がひらいたようなパァーとした笑顔をわたしに向けてきた。
「あっ。サナって呼んでくださいっ!!」
あー。自分の名前、好きだなー。って。顔が言ってる。
「えー、とくに連絡はないのでこれでHRを終わりにします。」
担任がそう言った所でちょうどチャイムが鳴った。
いつの間にか、HRは進んでいたらしい。
「しっかり授業を受けるように。」
そう言い残して教室から出て行った。
ガラガラ
バタンッ
「「「うおーーーー!!」」」
なべティーがドアを閉めた瞬間。男が走ってきた。
「「「「サナちゃーん!!」」」
うん。これは引く。
「あっ。敬語やめてよね。それじゃー頑張れー」
そう言って、わたしはすばやく席を立った。
あんなのに巻き込まれたらたまったもんじゃない。
このクラスの男子は相当女に飢えているらしかった。

