カラガラッ
入ってきたのは栗色の髪の女の子。
かわいい系の女子だ。
肌が白くてぱっちりした目。ゆるく巻かれ、ふわふわした髪の毛はなんとなく猫を想像させる。
あー。転校生?
随分中途半端な時期だなー。
そんなことを思ったのはわたしだけのようで。
教室のみなさんは違うことを思ったらしい。
「うぉーー!来たーー!!」
「かっわいーー!」
「彼女いますかーー??」
男子は叫ぶ。叫ぶ。
でも、女子の中には若干嫌そうな顔をした者が数名。
このクラスの中心的グループだ。
「ねーねー。今日暇ー?」
「ばっか。気がはぇーよ。」
「きれいだねー!!」
男子の声援は止まない。
転校生はというと、男子達の言葉に首をかしげてる。
ぶりっ子か。それとも自分の容姿に自覚がないのか。
その仕草に、一部女子の眉間に皺がよった。
あららー。顔怖ー。
「おい。うるさい。サナ、自己紹介しろ。」
担任が活を入れる。
そんでもって、なぜか転校生ちゃんを呼び捨てにしてるナベティー。
そんな先生にだれもツッこまない教室のみなさん。
いや、ツッこまないんじゃなくて、ツッこめないのか。
なべティー怒ると怖いらしいからねー。
噂によると、昔は相当やんちゃしていたらしい。
眉を潜め、怪訝そうな顔をした生徒たちに気づいたのか、気づいていないのか、おどおどした声で転校生ちゃんが自己紹介をはじめた。
「お…おはようございます。宮咲サナです。よろしくお願いします。」
ごく普通な挨拶。
超無難。
「えーと。席は…榊の隣だ。」
あれま。私の隣じゃないか。
あ。隣の子がなんか転校しちゃったからかー。
この季節は転校の季節なのね。
そんなことを思いながら転校生ちゃんに目を向けるとこっちに向かって歩いてくるところだった。
それを男子は、若干頬染めて歩くのを目で追ってる。
そして、やっぱり一部女子の顔は固い。

