「ねー、聞いた?」




「何をさー」




「お姫様」




「誰がさー」




「あんた、知ってんでしょ?」





「知らんさー」





「うざい。」






「すいませんしたー」






「チッ」




はい、来ましたー。リオンさんの舌打ち。こわーい






「ごめんって。転校生ちゃんのことでしょー?」







「やっぱ知ってんじゃん。てか、あんたその噂の転校生と隣の席でしょ?」





「そうよー。いいでしょー?」






「あー。はいはい。」



なんとも適当に返事をしたリオン。
確か昨日リオンは学校に来ていなかったはずなのにもうお姫様の情報を知ってた。


リオンってば相変わらず情報つかむの早いなー。なんて思ってたら急にリオンの眉間にグッとシワがよった。






「あたし、あいつ気に食わん。」





「ですよねー。」


ああいうふわふわ系女子をリオンが嫌っているのは知ってた。
それに加え、あの天然な感じ。リオンの嫌いなタイプのドストライクだ。



「てか、なにー?もう転校生ちゃんの姿拝んだわけー?」





ふと、疑問に思ったことを聞いたら
怖い顔のままのリオンは「昨日見たのよ。」とだけ言って机に伏せてしまった。




「ふーん」と言ってリオンをのぞき込むが、起き上がる様子がないのでわたしも自分の席につくことにした。




「じゃーねー、リオーン」




ヒラヒラと手を振りながら、わたしは自分の席へと向かった。