ここは、繁華街の路地を1本曲がったところにある細い裏路地。



血だけの男が10数人。
全員地面に伏している。 


そんな男たちを見下ろすフードを被った人間が3人。


先程ランと呼ばれた男と、その男を止めた奴ともう一人。

 
目元はフードに隠れて見えないが、3人とも身に纏う空気が冷たい。





「……っ」




ピクリ。と倒れている男の中の1人が少しだけ動いた。


まだ意識はあるらしい。




「おー。まだ意識あんやついたー」




今まで喋っていなかった男が声を上げる。




「チッ。死ね。」




うめき声の方へ行こうとする男、ランを、先程もとめた男が手で制した。





「まぁーまぁー待ちなよー。これ以上殴ったらまじで死ぬってー。」




チッ。


またもや舌打ちをするラン。




そんな中、倒れている男が微かに声を発した。




「…っおま……た………はだれ…」






「あっ。なんか喋った。」




「えー?なんて言ってたー?」




「よく聞こえなかった」




「ねー。もーいっかい言ってくんなーい?」



そんな声が届いたのか、微かに、それでも先程よりは大きな声で喋った。





「…おまえらは、だれだ……」





その言葉を聞いて、語尾を伸ばした喋り方をしていた男が深くかぶったフードから見える艶やかな赤色の唇のはしをあげ、音もなく倒れている男に近づいた。





「えー。知りたいのー?




俺ら?俺らはね