バキッ


ドゴッ





「やめろぉーーーっ」




「っ…助けてくれっ」




「…ゲホっ、、ガハッ…」

 


あたり一体に響く悲鳴。うめき声。

暗く、狭い裏路地に鉄の臭いが立ち込めていた。



すでに顔の原型がわからない男を、馬乗りになって殴り続ける1人の男。







「うわぁーーーーーーー!!」






ボキッ







叫び声と共に、本来人間の体から鳴るはずのない音がでた。









「ラン、ストップ。」







もう一度男が右腕を高く振り上げたとき、高くも低くもない心地よい音が殴っていた男の動きを止めた。
 



チッ。





舌打ちを零しながらランと呼ばれた男はゆるゆると立ち上がり彼を止めた主の隣に並ぶ。