Holy-Kiss~我が愛しき真夜中の女神達へ~【吸血鬼伝説】

「和明……!」

 と、早苗が呼びかける声は、細く。

 坊主を止められなかった。

 早苗は、ため息をついて、和明が払った紙包みを見た。

 工藤は、もう。

 軽い。

 本当に軽い、小さな包みでしかなかった。

 とさ……っと。

 小さな音を立てて、落ちた包みをひろい。

 胸に抱いてさめざめと泣く早苗に、俺は。

 気の利いた言葉一つ、かけてやることが出来なかった。