Holy-Kiss~我が愛しき真夜中の女神達へ~【吸血鬼伝説】

 ゲラゲラ笑う男達と一緒に笑いながら、傷の男は言った。

「貴様が、このボロ旅館の若旦那だってぇんなら、所場代がわりにヤらせてやろうか?
 一番最後に。
 女が、ボロ雑巾になった頃に変わってやるよ。
 案外、ぐちゃぐちゃしてて、気持ちがイイかも知れねぇぜ!」

「……出ていけ」

 聞くに耐えない暴言に、俺は、ため息と共に、言葉を吐き出した。

「俺は、お前たちのような下品なヤツらとは、取引をしない。
 この場所を、提供する気もない。
 ……全員、出ていけ」

 俺の宣言に、男達は、なにぉう! と吼えた。

「いい度胸じゃねぇか、兄(あん)ちゃんよう!
 こちとら大陸じゃ、ちっとは名を馳せた愚連隊、里中組だ!
 兄ちゃんも、南方、陸軍あがりでちっとはヤルだろうが、この人数相手に勝てると………」

 ……面倒な。

 俺は、延々どうでもいい事をほざいている、傷の男の襟首を掴むと。

 ポイとばかりに外へ放り出した。