「心です……残月様。
あなたの魂(ココロ)が欲しい、と」
「……何だと?」
早瀬の言いぐさに、俺の眉が自然に寄った。
「俺は、長い時間をかけて。
もう一人俺自身が丸々出来上がってもおかしくないほどのカラダのカケラをやったのに。
これ以上、魂(ココロ)までも欲しいのか?」
「はい」
早瀬は、極上な顔で微笑んだ。
「我がクロイツの代表は、まだ。
残月様の事を愛していらっしゃると……あなたにご執心です」
「……何を莫迦な」
俺は、思わず鼻を鳴らした。
「アイツは……それが、吸血鬼の魅了だと。
只の。
精神が見せるまやかしだと承知のはずだ。
なのに……」
「それでも。
あなたが欲しい、とおっしゃっています」
早瀬のサングラスが、闇を跳ね返して、きらり、と光ったような気がした。
「例え。
全世界を敵に回しても、あなたを手に入れたいのだそうですよ?
そんなこと、私も言われてみたいですわ。
見目麗しい男性から、でしたら」
ころころと笑う早瀬を、俺は睨んだ。
……冗談ではない。
あなたの魂(ココロ)が欲しい、と」
「……何だと?」
早瀬の言いぐさに、俺の眉が自然に寄った。
「俺は、長い時間をかけて。
もう一人俺自身が丸々出来上がってもおかしくないほどのカラダのカケラをやったのに。
これ以上、魂(ココロ)までも欲しいのか?」
「はい」
早瀬は、極上な顔で微笑んだ。
「我がクロイツの代表は、まだ。
残月様の事を愛していらっしゃると……あなたにご執心です」
「……何を莫迦な」
俺は、思わず鼻を鳴らした。
「アイツは……それが、吸血鬼の魅了だと。
只の。
精神が見せるまやかしだと承知のはずだ。
なのに……」
「それでも。
あなたが欲しい、とおっしゃっています」
早瀬のサングラスが、闇を跳ね返して、きらり、と光ったような気がした。
「例え。
全世界を敵に回しても、あなたを手に入れたいのだそうですよ?
そんなこと、私も言われてみたいですわ。
見目麗しい男性から、でしたら」
ころころと笑う早瀬を、俺は睨んだ。
……冗談ではない。



