……俺とつき合う者はロクな目に遭わない……

 一人、呟いて唇の端を噛む。

 ……今回のコレで、一体どれだけの人間が被害を受けてしまったのか。

 巻き添えを食らったアパートの住人達が、必死に逃げだしてくるところが見える。

 そして。

 凛花にとっても、とても運の悪い出来事だった。

 凛花。

 彼女に、両親は、ない。

 幼い時から、唯一の肉親の兄と別れて、ある家庭に引き取られたのだが……

 ……その、身を寄せた先の義父が外道だったのだ。

 年端も行かない凛花を犯して、身体を傷つける。

 凛花を引き取ってから、今までずっと。

 それは、あまりにひどかった。

 だから。

 千年以上の時を生き、彼女の曽祖父と友人だった俺が。

 さらって、凛花を引き取ろうと思っていた、矢先の出来事だった。