「ディティア!」

「ん〜……?」

唐突にかけられた声によって、私は目を覚ました。

目の前には、友達のメルリア。周りを見渡せば、少し汚れた黒板に、たくさんの机と椅子。

どうやら、学校で寝てしまっていたらしい。

「お〜……メルリア、おはよぉ……」

「いつまで寝惚けてんの!もう授業終わってるよ?」

「へー…そりゃ良かった…」

「よ・く・な・い!」

「んぎぎぎぎ!!」

頬を抓られ、一気に眠気が覚める。
熱を帯びた痛みが、頬の全体に広がっていく。

「あんた、いっつも寝てるじゃない!そんなんじゃ、すぐにおいてかれるよ?」

「あ〜、そこはノープロブレム。私頭良いから」

「…ふぅ〜ん、なら…この点数はなにかしら〜?」

指を差された先には、数学のテストの答案。
その答案には、赤色で"3"という数字が書かれていた。

「あっはは、なんでしょーね?」

「とぼけんじゃないわよ! まったく…あんた、"トーハイト先生"のこと知らないの?」

「は?"トーハイト先生"?」

トーハイト先生。

メルリアの曰く、トーハイト先生とはこの学校の七不思議の一つらしい。