彼女はふぅ、と溜息をついて

俺を見た。


さのひなこは俺がきたのに気づくと、手を振りながらぴょこぴょこやってきた。



「神崎くんごめんね!ちょっと、ボーッとしてた」


「いや、いいよ。待った?」


まるでカップルのような会話。

はたからみるとから見るとカップルに見えているのかな……。



はずかしいけど、嬉しい。



「誰、この人」


やっとゲームをやめたのか太陽は俺の隣にいて、さのひなこをじーっと見る。



「兄ちゃんの女?」


ぶっ

俺は吹き出してしまった。


「まさか!神崎くんはクラスメイトっていうか……友達です!」



「ふ〜ん。そうなの?兄ちゃん。」


「お……おう…」


なんか自分で認めて悲しくなった。


さのひなこも思いっきり友達って…



いつか彼女、って言いたい。


ていうか太陽、小3のくせにマセてんな……。


ちょっと寂しい、なんて。