4月の風はまだ少し寒い。


駅に着くと、レジ袋の中からミルクティーを取り出した。


太陽が好きだから、いつも買ってるんだ。


椅子に座って、電車が来るのを待ちながら、ミルクティーを喉に含んだとき、



聞き覚えのある声がうしろから聞こえた。





「あの〜…神崎くん、だよね?」




ああ………



「さのひなこ………」


「キャイン!」


彼女が持っていたダンボールからあの子犬がぴょこっと顔を出した。


「よかったぁ。神崎くんがいてくれて〜!あっ、座っていいかな?」


ドキドキしながらも、俺は椅子に置いてたバッグを退かした。



「お隣、おじゃまするね。」


なんていちいちかわいい断りも言ってくる。