異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。




「ぎゃ~! 何をしてんの。変態! 脱ぐな~!」

『寝るのに服は邪魔だろ』


寝る? やっぱり!


「あ、あたしはあんたと寝る義理はないわよ! エッチ! チカン! 離せ~!!」


バタバタと手足をばたつかせているとあっさり離され、勢いよく顔が床と仲良くなった。


「い……痛いじゃないのさ……って!?」


ヒョイっと抱え上げられ、下ろされたのはベッドの上で。


当然、ティオンは裸でした。


「ぎゃあああ! 寄るな、触るな。変態!」

『ホントにユズは慣れてないんだね』

「な、慣れてるわけないでしょっ!」


彼にクスクスと笑われていても、バカにされてないと解ってるから、それほど悔しさはない。


『ほら』


ティオンは大きな枕を横にして、ポンポンと自分の隣を叩く。

「な、何のつもりよ?」

『何って、午睡。お昼寝だよ』

ティオンの意外なひと言で、思わず彼の顔をまじまじと見る。

『夜、眠れないんだろ? だったらちゃんと寝ておかないと、体に悪い。僕が添い寝してあげるから』