『なんだい? そんなに口説かれたかったの?』
「ち、違うわよ!」
『照れなくていいよ。やっと僕の気持ちを判ってくれたんだね』
「照れてないっ! 人の話を聞けーっっ!!」
あたしがプンプンと剥れていると、いきなりティオンがとんでもない事をしてくれた。
よりによって……
あたしを抱き上げたかと思うと、そのまま歩き出したんだから!
公的な公衆の面前で王太子殿下に“お姫さま抱っこ”されてですよ? どんな羞恥プレイ!? パンピーにされるより恥ずかしさ倍増だわ!!
「ちょっ、下ろして! お~ろ~せ~!」
なんか1ヶ月前にも同じ事をしたようなデジャブが……
『はい、到着』
ティオンはそっとあたしをベッドに下ろしてくれた。
そこは、紛れもなくティオンの寝室で。ギョッとしたあたしは、コソコソ逃げようとしたけど。
ティオンの腕が離れなくて、逃亡は失敗。
しかもティオンは……
片腕で服を脱ぎ出したし!!
なに考えてんだ! 変態~!!



