それから、だった。
家にいる間、必ず毎時同じ分数に電話が掛かってくる。
留守番電話にすれば、メモリ一杯になるまであんな変態的な内容を延々と録音する。
留守番電話にしても録音中は内容が聞こえるから一緒。
それに家族からの連絡は家の電話が主だから、電話線を抜くとかの手段は取れない。
非通知を着信拒否にすれば、相手は番号をかえてかけてきた。
しかも段々その内容が狂気を増してきた。
『今、お風呂中だよね。ゆりちゃんはどこから洗うのかな?シャンプーは○○を使ってるんだよね』とか。
『ご飯はまた冷凍食品?エビピラフ好きだよね、ゆりちゃんは。でも、ダメだよ。僕がちゃんと手作りしてあげるから。将来僕との赤ちゃん生まないといけないから健康でいないとね』
とか。
日常を事細かく指摘するようになってきていて。
なんだか見られてるような気がした。
夜、怖くて帰りたくなかった。学校の方が安らげる。みんながいるから。
眠れない。浅くうとうとしても、誰かに見られてる気がしてすぐ目が醒めた。



