「ニャアン」
銀色の猫が後ろ足で立ち上がり、ポフンと前足の肉球を……肉球を。ほっぺたにいぃぃぃ……!!(絶叫)
「あぁあああ! な、なんだい猫ちゃん。き、君が望むなら例え火の中水の中。どんなことも成し遂げようぞっ!!」
あああ、肉きゅう! ILOVE肉球!! この適度な柔らかさと、ぷにぷに感。人肌より高いぬくもり! 香ばしきかほり!
「ニャン」
「なに? お肉。それともお魚が欲しいのかな? あ、遊んで欲しい? お水? おトイレ? マタタビ……ってここにあるのかしらあ!」
むひひひ……と笑ってからふと我に返り、周りを見れば誰もいない。
……って!
ライベルトとキキが100mは離れてたのは気のせいじゃないね。
「ちょっと! なにその不気味なモノを見るような目は。失礼でしょうが!」
『ごめんね、ユズ。あなたの顔がちょっと……あのままいたら失神しそうで。実際にちょっと気が遠くなりかけたから』
キキが遠慮がちに言ってたけど……
あたしがどんな顔してたんだよ! おい!!



