異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。




『下手をすればあなたを巡り、国際問題に発展しかねない。
天候不順でセイレスティアで凶作ならば、同じ大陸に位置する近隣諸国も同様の事情を抱えています。
食糧難は国の基盤を揺るがす大問題。だが、あなたがいれば即時に解決する。
つまり……あなたはどの国から見ても、喉から手が出るほど欲しい存在なのですよ』

「……って、ちょっと待ってよ! あたしを巡って、そんな大事になってるの!?」


ライベルトは私情を挟まずに淡々と説明するけど。あまりにもとんでもない事態に、頭がクラクラしてきた。


「あたしを巡って他の国が手出しなんて……あり得ないじゃない」

『それが現実です。現状を正確に認識し、しっかりとした対応をなさってください』


はあ……と大きくため息を着いてから、ライベルトに訊いてみた。


「とりあえず、あたしに手出ししそうな国はどれだけあるの?」

『北のハーメア王国、東はプライ王国、南はミナン共和国、西はディアン帝国。とりあえずはこれだけです』


………。


多すぎだろおっ!