異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。




セイレスティア王国より人口が多く国力が勝る帝国は、空飛ぶ兵器で山脈を越えて侵攻してきた。


一時は国境の領地全てが占領され、首都カゼルアへ行くルートが出来るほど押されたらしいけど。魔法使いとセイレスティア軍の活躍により巻き返したらしい。


『劣勢を跳ね返した、ヘコン川の戦役はわたしも知ってます!確かライベルト様が副司令官で、司令官の方が諦めたところを奇想天外な方法で逆転させたとか』


キキがキラキラした目で、ライベルトを見つめる。


『あの戦が突破口となり、帝国と渡り合えるようになった……ライベルト様は救国の英雄でいらっしゃるんですよ!
まだ信じられないです。英雄様のおそば近くにいられるなんて』


ほおっ、と嘆息するキキも、ミーハーな面があるらしい。やっぱり年相応の女の子だな~と苦笑した。


アイドルを見るような、憧れの眼差しを向けられて。そりゃあライベルトはかなり整った顔立ちだから、日本にいたら確実にスカウトされてるだろうけど。

……にしても。


彼は褒められたってニコリともしない。愛想が悪いひとだ。